世界情勢とFXの相場との関連

成長力加速

まいけば参院選における自民党の敗北は避けられないところで、問題はその「負け方」と言うことになるのだろう。  仮に自民党が敗れた場合、谷垣前財務相や青木参議院会長資産運用が安倍首相に責任問題を指摘しているほか、自身も「ダメなら責任を取る」―としている。原則としては退任ということになりそうだ。  安倍政権退陣となった場合の政局スケジュールは会期末(8月下旬)に退陣、9月中旬までに自民党総裁選が実施されることになるとの見方が有力だ。  さらに、場合によっては10月頃に新総裁のもとで臨時国会が召集されると同時に解散・総選挙、11月に特別国会開催とのスケジュールまです個人向け国債でに青写真として描きはじめた向きもあるという。      (鹿の角) 景気回復が招いた 安倍政権腐敗の構造 景気回復が招いた官僚支配  景気回復で気分が良くなったのは、金利引き上げが常套手段となった日銀だけではない。官僚も政治家も基本的にはとても良い気分なのだ。なんと言っても、財務省は税収の増加、他の監督官庁は権益の拡大、政治家は景気が良くなると、基本的に有権者が保守的になる点で非常にipo有利となる。が、そこに吹き荒れているのが、安倍政権の腐敗構造である。  まかりなりにも、危機のさなかにあった小泉政権は、方向が多少狂っていたとはいえ、また時に変質的ではあったとはいえ、激しい情熱と変革への強い意志を感じることが出来た。  しかし、現政権はそもそもの成立が極めて保守的かつ権威的であったので、当初から古い政治家的な腐敗が続出してしまったこと、さらには官僚の方も、古い体質、隠蔽構造が露呈してしまった。社会保険庁の年金問題などはその最たるものであろう。  しかし、景気回復が軌道に乗ってしまった以上、そう簡単に緩慢かつ腐敗的構造が無くなるわけではない。「経済財政計画の基本方針2007〜美しい国へのシナリオ〜」が閣議決定されたが、この中身も極めて妥協的、官僚主導的なものとなってしまった。  さて、この基本方針、実施的には第2章「成長力の強化」、第3章「21世紀型行財政システムの構築」、第四章「持続的で安心できる社会の構築」がポイントとなる。「成長力加速」には、選挙向けのPRが満載。中小企業救済、最低賃金引き上げといった政策が成長加速との関連は全く無い。むしろ成長に乗り遅れた社会救済の意味合いの方が強いであろう。明らかに選挙をにらんだ政治的介入があったものと想定される。第3章以下はさらに破綻している。年金記録相談の強化など唐突感のあるいかにもとってつけた項目が登場したかと思えば、首相の力の入れている教育が成長との関連で登場したり、持続的で安心できる社会の構築で出てきたり、といかにも官僚が作文をした様子が伺える。  結局安倍政権の本質は、政府が「構造改革」から「成長加速」に路線を変更したことによって、実は政官主導での成長への干渉を肯定してしまったのである。結果として官僚の支配構造が再び強化されようとしている。成長の皮肉な側面だ。(石上) 東京株式市場は青い眼次第  石油会社は青息吐息  為替市場における円独歩安を受けて輸入企業の多くが苦しんでいる。なかでも、その代表格である石油会社は円安プラス原油高のダブルパンチを被っており、瀕死の状況だ。  ちなみに、NY原油は足元70ドル程度。今年1月に50ドル程度まで下落していたことからすると、半年足らずで実に40%もの上昇を辿っている計算になる。  日本については、冬を越し、いわゆる需要期が過ぎたものの、それでもサマーバカンスによるマイカー旅行需要もあり要注意だろう。街のガソリンスタンドにおける小売のガソリン価格にさらなる転嫁も否定出来ないように思う。  なお、エコノミストなどの専門家は「輸入インフレ」という言い方をするが、石油など輸入価格の上昇により長らく続いたデフレ傾向にピリオドが打たれることになりかねないように思う。  時間ベースのドル/円チャートを見ると、先週木曜日に掛けて3日から4日ほど123.10〜75円ほどのボックス圏の値動きに留まっていた。  なにやら最近どこかで見た動き、強烈な既視感を感じるなか、振り返ってみるとレベルこそ違うが今月9日から13日に掛けて推移したレンジ相場(121.50〜85円)に様相が酷似している。  ちなみに、前記の際は揉み合いを経てレンジを上放れてきたわけだが、今回も同様の展開を辿るかあるいは逆にレンジを下放れるのか注意を要するところだろう。本稿が読者の手元に届くころには方向性が判明しているかも知れないが、ともかく揉み合いによりエネルギーが蓄積されているだけに、今後思いのほか激しい価格変動を示す可能性もある。(ひのえうま) 米長期金利は一段と上昇へ グローバル・インフレ  6月に入ってから世界的な長期金利急騰懸念が広がった。その中で、「グローバル・インフレ」論が急浮上の兆しを見せている。  ところで、これが仮に2003年にかけて広がった「グローバル・デフレ」論の逆アナロジーだとするなら、米利上げが再開し、その中で米長期金利の「行き過ぎた上昇」は、5.5〜6%まで拡大するのかもしれない。  2003年の「グローバル・デフレ」論は、米利下げ局面が異例の長期中休みを経て再開する中で広がりはじめた。当時FRBは、ITバブル破裂対策で2001年に積極的な利下げを推進。しかし2002年は金融政策の変更を一年間見送っていた。ところが、2003年1月、何と1年1カ月ぶりに利下げを再開したのである。  こういった中で、当時は日本だけでなく世界的なデフレ懸念、「グローバル・デフレ」懸念が広がった。このようなグローバル・デフレ論が広がる中で、米長期金利は史上最低水準を更新、2003年6月には3.1%まで低下した。しかし、今から振り返ると、それは行き過ぎた金利の低下であり、2003年6月FOMCで最後の利下げが決まると、一転米長期金利は急反騰に向かった。そういった中でグローバル・デフレ論もあっと言う間に忘れられていった。  さて、FRBは昨年6月にそれまで2年間続けてきた利上げを終了した。しかしそれから一年経っても、インフレ懸念は消えず、逆に景気減速懸念の方がこの1カ月程度で急速に後退した。これを受けて、年内利下げ論は急後退。そして「グローバル・インフレ」論が浮上しはじめているのである。これは、4年前と逆さの風景に見えないだろうか。  もしも、最近の金融市場を取り巻く環境が、2003年にかけてのそれと逆アナロジーになっているなら、FRBは今後数カ月以内に利下げを再開。その中で、「グローバル・インフレ」の構造論がいよいよ広がり、米長期金利は5.5〜6%まで一段と上昇する可能性がある。  しかし、少なくとも2003年の「グローバル・デフレ」論は一時的な現象にとどまった。今回の「グローバル・インフレ」論をめぐる展開も似たようになるなら、これから展開するのは「間違った金利上昇」になる。=蒼い稲妻= 為替攻防急所124  価格分布帯の分岐点だ  年初来高値122.20円を前に足踏みとなり、一部の弱気筋からはドルの「ダブルトップ達成」も指摘されていたドル/円相場だが、ついにそのレベルを越えると123円台まで一気に到達してきた。  そんなドル/円相場を価格分布帯の観点からみてみると、非常に重要なゾーンは124円台。仮にそのゾーンを抜け125円台に到達するようだと、完全に世界観に変化が生じる可能性も否定出来なくなる。  「取引の価格分布帯」―は筆者の大好きな分析方法で、当レターでも過去に何度かレポートしている。興味のある方はバックナンバーを参照して欲しいが、簡単にいうと過去に取引のあった価格帯の滞空時間を示したもので、「取引の多い価格帯」はレジスタンスやサポートなどの節目になり易く抜けることが容易でない反面、「取引の少ない価格帯」はあまり長期間ステイすることが予想し難くアッサリと抜ける傾向がうかがえる。  さて、足元のドル/円実勢相場はと言うと、周知のように先週13日に122円の壁を越えるとドルは4年半ぶりの高値圏123円台へと達してきた。  そんなドル/円相場を変動相場制以降のデータを網羅した「価格分布帯」で見てみると、111〜130円でもっとも取引の多い価格帯は117円台で175日もステイしており、次が124円台で166日のステイとなっている。また、116円台から124円台のゾーンは比較的活発な取引であることが見て取れるが、それでも122円台は105日のステイとほかに比べると取引は薄く、やや「居心地が悪い」。  つまり、それからなにが言えるのかと言うと、短期的には過去の取引が多く「求心力の高い」123〜124円台での揉み合いが予想されるものの、問題は仮にそのゾーンを超えてきたときだろう。これは、125円台から130円台に向け、極めて取引が少なく求心力の乏しいゾーンが続くことになるためだ。  ちなみに、これは一般的なテクニカル分析と正反対といってよい結果。  ともかく「価格分布帯」では相場の重要な分水嶺、メルクマールが124円台にあたるわけで、キチンと抜けるようだとさらなる円安に向けた新たな新局面に入ったといえるのかも知れない。 (鹿の角) 目下良質の金利上昇  宴はまだ続くのです  世界的な金利上昇が続いている。米国に端を発した長期金利の上昇は、すでに10年債券で5.25%を伺う程までに上昇した。  しかし、CPIなど物価指数に大きな上昇もなく、景気後退懸念→金利低下ではなく、物価安定→適度な物価上昇、すなわちインフレを原因とする「悪い金利上昇」ではなく、景気の中期的か拡大を視野に入れた「良い金利上昇」との論調が目立ち始めている。  たとえば、2月頃の状況を想起すれば、当時の長期金利上昇は、住宅ローン会社の経営難が表面化し、サブプライムローン問題が大きくクローズアップされた。信用不安からのリスクプレミアム拡大であった。しかし現在そのような懸念は一段落してしまっている(水面下ではくすぶっているが…)。  また、最近の経済指標の好転を受けて、市場がこれまで考えられていたほど景気の下振れリスクは高くないと考えている。実際、2000年頃の米国一極集中の景気拡大と違い、欧州、日本、発展途上国と世界的な景気の広がり、大きく、かつ有力なプレイヤーがすべて元気という状況はこの10年ほど見られなかったことだ。つまり世界的な景気の腰折れ懸念というプットオプションの価値が無くなった、いわば「良い金利上昇」と見られる。  しかし、長期金利が「良い金利上昇」の形で、さらに上昇するには、いろいろな点で力不足である。米国に関しては経済指標の改善は見られるものの、非農業者雇用者数の増加などは潜在成長率並みの景気拡大ペースを示唆するまでに